固定資産の売却

【減価償却費の復習】
500,000の備品(残存価額は取得原価の10%、耐用年数10年)の減価償却
減価償却費(年額)
={ 取得原価500,000-残存価額(500,000×10%)}÷ 耐用年数10年
=45,000
【間接法による仕訳】
(借)減価償却費 45,000
/(貸)備品減価償却累計額 45,000

さて、この備品について、購入後ちょうど2年経過したところで、この備品を450,000で買い取ってくれるという話が入ってきました。
どうする?

ここでは一旦頭を直接法に切り替えて、「410,000の価値のものが450,000で売れる」と考えると、売却した方がお得ですね。
【直接法による売却仕訳】
(借)現     金 450,000
/(貸)備     品 410,000
/(貸)固定資産売却益   40,000

それでは、再び間接法に戻して、現金で売却の場合の仕訳をしてみます。

【間接法による売却仕訳】
(借)現       金 450,000
(借)備品減価償却累計額   90,000
/(貸)備     品 500,000
/(貸)固定資産売却益   40,000

この取引の基本は、
<現金が入って(借方)、代わりに備品が出て行った(貸方)>
ですoyb

備品がなくなったことに伴って、備品に付随して設けてあった「減価償却累計額」勘定の残高もなくなるので、精算のため反対仕訳(借方)で残高をゼロにします。
その借方・貸方の差額が、固定資産売却損益になります(今回の例では、売却益でした)。

直接法の仕訳の方がわかりやすいと思いますが、簿記3級の検定試験問題は間接法での仕訳がほとんどです。

しかし、直接法の考え方もきちんと理解していれば、こんな問題でもシンプルに考えられます。

解ける!簿記 3級 本試験レベル問題(固定資産の売却)

【問題】
次の取引について、下記の語群から勘定科目を選んで仕訳してください。
不要となった備品(取得原価¥100,000、減価償却累計額¥45,000、間接法で記帳)を期首に処分し、売却代金¥20,000は後日受け取ることにした。
(語群)備品・売掛金・未収入金・備品減価償却累計額・固定資産売却益・固定資産売却損

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