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精算表とは

複式簿記の一連の流れ、つまり日々の取引の発生から、最終目標である財務諸表作成までの作業の順は、「超」入門編まとめのところで学習したように、

1.取引

2.仕訳

3.勘定記入

4.財務諸表作成

でした。

このうち、1.~3.は通常、会計期間中に日常的に発生・実施するものですが、4.は通常、決算時に行うものです。

さて、前回学習しましたとおり、実際は3.と4.の間に、借方・貸方の合計がバランスするかをチェックするための「試算表」を作るという作業がありました。

決算では、特に残高試算表をベースに、資産・負債・純資産の残高はB/Sへ、費用・収益の残高はP/Lへと転記していきます。

ところがその前に、なすべきことがあります。

実は、決算のときだけに行う仕訳というのがあります。

例えば、現金の実際高と帳簿上が合わず、その原因も不明で、仮に「現金過不足」にしていたものに決着をつけたり、あるいは費用・収益の繰延見越処理を実施することなどがあります。

前者は、本来であれば期中に正しい仕訳をすべきところ、原因不明などで仮に処理したり、うっかり誤った処理をしていたり処理を漏らしていたり・・・ということで、「未処理事項」などと呼ばれます。

後者は、決算時に特有の会計処理であり、「決算整理事項」と呼ばれます。

また、前者と後者を合わせて「決算整理事項」と呼ぶこともあります。

なので、先に掲げた簿記の一連の流れにおいて、3.から4.の間をもう少し詳しく拡大すると、

3.勘定記入
↓ 3.1 勘定記入
↓ ↓
↓ 3.2 試算表の作成
↓ ↓
↓ 3.3 決算整理
↓ ↓
4.財務諸表作成

となります。

この流れの、とくに決算時に必要な3.2から4.までの作業を一表にまとめたものがあります。
「精算表」といいます。
(下の見本のように、残高試算表欄・修正記入欄・P/L欄・B/S欄でそれぞれ借方・貸方があるものを、8桁精算表といいます。)


(1)               (2)          (3)

すなわち、
(1)決算処理のスタートである残高試算表(各勘定口座の残高を集めたもの)に対し
(2)未処理や決算整理事項の仕訳を追加し、
(3)その結果、費用・収益科目についてはP/Lへ、
資産・負債・純資産科目はB/Sへ
と転記する一覧表です。

実際の簿記3級検定試験では、通常第5問(配点30点前後)で出題されますが、何も特別な対策が必要なわけではなく、
(1) 与えられた残高試算表をベースに
(2) 決算整理の仕訳を正しく行い
(3) (1)(2)の合計を、P/L・B/Sに転記する
という作業ですので、(2)の仕訳を理解しているかと、各科目をP/LとB/Sのどちらの表に、借方・貸方どちら側に転記するか、が問われます。

(2)は確かに、決算時特有の処理、仕訳がありますので、そこを知っておくことが必要です(当然、検定試験でも問われます)。

次回からは実際の検定問題に即した問題演習を行います。

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