固定資産台帳の見本と各項目の意味

固定資産台帳は、個別の固定資産ごとの取得から減価償却、売却・除却までの記録をつけて管理するものです。

総勘定元帳の各固定資産の勘定(例えば建物勘定、備品勘定、車両勘定等)では、当該勘定に該当する固定資産全体(例えば備品勘定なら、すべての備品)の増減や残高がわかりますが、個別の資産(備品が複数あるなら、備品A、備品B、備品C・・・というように、個々の備品)の明細は、総勘定元帳ではわかりません。

そこで、同種の固定資産を複数所有している場合は、補助簿として固定資産台帳という、個別の資産別の台帳をつけて、個々の固定資産の内訳を管理します。

固定資産台帳に決まったフォーマットはありませんが、以下のフォーマットを理解できれば、日商簿記3級検定の出題には対応できるはずです。

固定資産台帳のサンプル

上記の固定資産台帳のフォーマットの各項目について説明を加えると、

  • 取得原価:取得したときにかかった金額(付随費用含む)
  • 期首減価償却累計額:前期末までの減価償却累計額(合計)
  • 期首帳簿価額:取得原価ー期首減価償却累計額(=期首時点での減価償却後の価値)
  • 当期減価償却費:当期に計上する減価償却費(期中取得や期中売却等の場合は月割計算)
  • 期中減少額:期中に売却、除却等などで減少した固定資産の帳簿価額
  • 期末減価償却累計額:当期末までの減価償却累計額(合計)(=期首減価償却累計額+当期減価償却費)
  • 期末帳簿価額:取得原価ー期末減価償却累計額(または、期首帳簿価額ー当期減価償却費)

固定資産台帳の読み取り方

上記の固定資産台帳のサンプルをもとに、上記サンプルの備品Aに関する固定資産台帳の記載内容を読み解くと、

  • 品名は「備品A」でX7年4月1日に取得、数量は2つで、耐用年数は5年。
  • 取得原価は¥800,000で、前期末までに減価償却した累計額は¥160,000。
  • ゆえに、当期首時点の評価額は、取得時の¥800,000から¥160,000価値が下がった後の差し引き¥640,000の価値(=期首帳簿価額)。
  • ここから、当期の減価償却費が¥160,000なので、期末の減価償却累計額は、期首¥160,000+当期¥160,000=¥320,000
  • これを取得原価から差し引いて期末時点の評価額は¥480,000(期末帳簿価額)。

以上のことが読み取れます。

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