簿記とは、普通、複式簿記のことです。
複式簿記の「複式」を理解するには、実はいきなり「貸借対照表」から入るのがベストです。
なぜか?
借方/貸方の理解がしやすいからです。

貸借対照表から始めよ

複式簿記の一番の原理、おおもと、根源は次の式ですo

資産 ー 負債 = 純資産 (式1)

 

「資産」とは、例えば、お金(現金)や商品、土地、建物、備品など、いま現に手もとにある、価値のあるものです。
「財産」と同じと思っていていいでしょう。

その「資産から負債(他人から借りた資産)を引いた残りが純資産(純粋な自分の資産)」という式です。
あたりまえのことです

この式を変形して、負債を右辺に移項すると、

資産 = 負債 + 純資産 (式2)

 

となります。
これは、(式1)と同じことを言っています。
つまり
「いまある資産は、他人から借りた負債と純粋な自分の資産との合計」
ということを表しています。

この式2を表に直すと、
BS原型
(表1)

複式簿記の原理は、この(式2)あるいは(表1)を覚えればクリアです

「複式簿記は、借方と貸方があって、どっちが左でどっちが右で☀☀☀?」と難しく思われるかもしれませんが、そのレベルのハードルは、この「式2」や「表1」でクリアできるのです(「借方」「貸方」は次回説明します)o

たったこれだけのことですo

そして、この表こそが、あの、貸借対照表(バランス・シート、略してB/S)といわれるヤツです。

(ちなみに、「式2」の「資産=負債+純資産」のことを「貸借対照表等式」といいます。)

貸借対照表の具体例

例えば、あなたの経営しているお店が、

「あなた自身が出資した200万円と埼玉銀行から借りた100万円で合計300万円を現金で持っている」

とすると、
BS(具体例)
(表2)

と、なります。この「表2」の貸借対照表からわかることは、

(1)ウチのお店は現在、資産(財産)として現金300万円ある
(2)その内訳(出所)は、銀行からの借入金100万円と自分が捻出した資本金200万円から成り立っている

ということです。

つまり、貸借対照表が表しているのは、

(左側=借方)いまある資産(財産)は何がいくらで
(右側=貸方)その出所は何がいくらか
(他人資本、自己資本それぞれ何がいくらか)

ということです。

これでもう、貸借対照表はマスターです。

繰り返しますが、式2や、それを表にした貸借対照表の以上のことを覚えるだけで、複式簿記の借方やら貸方やらどっちが右で左で、とかいうレベルのことには煩わされなくなります。

次回は、その借方や貸方をもう少しくわしく見ていきます。

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