実際のお店の始まりからの流れに従って、「開業」から取り上げます。

この中の「資本金」は、実は簿記3級の試験の頻出テーマでもあり、この講の最後に日商簿記3級の過去問と、ビジュアルに理解できる動画もご用意してますので、お楽しみに!

開業・資本金

「複式簿記「超」入門編」の【例1】からおさらいします。

簿記3級で取り扱う個人商店の場合、事業主が自らの財産から捻出するというカタチになります。

つまり、「事業主のプライベートな家計」と「お店の事業用の会計」とを混同せず明確に分け、簿記ではあくまで事業関係の取引のみについて取り扱います。

【例1】
7月1日、自己資金である現金¥2,000,000で当店を開業した。

【仕訳】
(借)現 金 2,000,000
/(貸)資本金 2,000,000

現金勘定と資本金勘定

BS(現金と資本金)
(今回、まだ負債はないのですが、”0”で表示しました)

というように、一番最初の各帳簿ができます。

ここから、複式簿記「超」入門編の【例1】のように銀行から資金を借り入れたり、備品を購入したり商品を仕入れたりと事業が続いていきます。

現物出資

資金(現金)だけでなく、所有する建物や土地などを、店舗など事業用に使用する場合も、その店舗に使う建物や土地を現物出資として、現金と同様に資本金とします。

【例2】
店舗用に、自分が所有する土地(¥10,000,000)と建物(¥5,000,000)を提供した。

【仕訳】
(借)土 地 10,000,000
(借)建 物 5,000,000
/(貸)資本金 15,000,000

引出~私的流用

ところで、自分が出資して自分が経営している個人商店では、店のカネを持ち出して自分の私的な用事に使用することもできます。
(会社でやったら「流用」といって問題になりますが)

【例3】
店の現金から、事業主の生命保険料として¥20,000を流用した。

【仕訳】
(借)資本金 20,000
(または引出金)
/(貸)現 金 20,000

これは、事業用の店のカネを、事業主個人の用件に使用しているので、出資の払い戻しとなり、出資したときとは反対の仕訳になります。

つまり、店の現金が貸方で減少し、それは資本金の払い戻しなので、貸方残高の資本金も¥20,000減少させる(借方に計上)。

(ちなみに、資本金勘定を直接変動させずに「引出金」という勘定を用いることもあります。
詳しくは「引出金」の講へ。
引出金については、まだ後回しでも構いません。)

・・・さて、最後にお約束どおり日商簿記3級の過去問です。

解ける!日商簿記3級 本試験レベル問題(資本金と引出金)

【問題】
次の取引を、下記の語群を使って仕訳してください。
店主個人に係る損害保険料¥10,000と店舗兼住居用の建物の火災保険料¥10,000について、当座預金口座より引き落とされたという通知が取引銀行からあった。ただし、火災保険料のうち30%分は店主個人の住居部分に対してである。
(語群)当座預金・支払保険料・受取保険料・資本金

【解答・解説はこちらから~問題演習編サイトへ】

どうでしたか?本番の日商簿記3級の本試験といっても、このレベルです。
怖がる必要ありませんね。

でも、今回の問題、つまり店のお金を事業主個人の費用にあてる問題は、本番の3級検定試験でも頻出です

「保険料」が「税金」や「電気代」に変わるバリエーションですが、考え方は同じです。

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■開業・資本金がビジュアルに理解できる講義動画
日商簿記3級頻出テーマ対策「祝!開業 さっそく店のお金を私的流用してみた」