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「仕訳」は、一つの出来事(取引)について借方/貸方がそれぞれ「何の勘定科目がいくらか」を整理する作業で、簿記の学習でもっとも頻繁に行う作業です。
仕訳の問題は、日商簿記検定3級の本試験でも、2級の本試験でも、毎回必ず第1問、配点20点で出題されます。

また、直接的な仕訳の問題ではなくても、ほとんどすべての問題が、仕訳を基礎に、正解を導き出す考え方が必要になっています。

仕訳

仕訳について理解するために、前回「単式簿記と複式簿記」で見てきた【例1】にもう一度登場してもらいます。

【例1】
1 7月1日に自己資金である現金200万円を出資して当店を開業した。
2 7月2日に埼玉銀行から100万円を現金で借り入れ
3 7月8日にすずらん堂商店に現金50万円を貸し付け
4 7月16日に50万円の備品を購入して代金を現金で支払い
5 7月22日に150万円の商品を仕入れ代金を現金で支払った。

こうした1~5のような資産や負債、純資産に変動が生ずるようなことがらを、「取引」といいます。

さて、前回のおさらいから始めます。

銀行通帳や家計簿でおなじみの単式簿記では、現金の増減しか記録しないのに対し、複式簿記は、必ず一つの事象・取引について、「複式」つまり<借方/貸方>両方に同額の金額の変動を記録するものでした。

つまり、【例1】で見れば

1(借方)資産として現金が200万円増加した。
/(貸方)(その出所は)純資産の資本金200万円である。

2(借方)資産として現金が100万円増加した。
/(貸方)(その出所として)負債の借入金が100万円増加した。

3(借方)資産として貸付金が50万円増加した。
/(貸方)資産の現金50万円が貸したために減少した。

4 (借方)資産として50万円の備品が増加した。
/(貸方)対価として資産の現金50万円が減少した。

5 (借方)資産として200万円の商品が増加した。
/(貸方)対価として資産の現金200万円が減少した。

(1~5の借方/貸方の記述、「出所」や「資産の減少」については第2講「借方・貸方の極意」を参照)

という内容で貸借対照表が作られました。
このように、複式簿記では、一つの事象・取引について、必ず借方・貸方の両方に同額の金額の変動があるのです。

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このうち、借方・貸方の必ず両方対になることを「取引の二重性」、借方/貸方の金額が必ず同額になることを「貸借平均の原則」といいます。

実際の簿記の手順では、こうした1~5の事象・取引についていきなり貸借対照表に書き込むのではなく、取引の二重性や貸借平均の原則を利用した「仕訳」という作業を先に行います。

「仕訳」とは、【例1】でいえば、1~5の事象・取引について、貸借対照表の借方/貸方にそれぞれどの科目にいくらの金額を記載するかを、メモしておくことです。

【例1の仕訳】
1 (借)現 金 200万円
/ (貸)資本金 200万円
2 (借)現 金 100万円
/ (貸)借入金 100万円
3 (借)貸付金  50万円
/ (貸)現 金 100万円
4 (借)備 品  50万円
/ (貸)現 金  50万円
5 (借)商 品 200万円
/ (貸)現 金 200万円

仕訳で注意するポイントは、3~5について、資産である備品や商品が増加し、その対価として同じ資産である現金が減少していますが、

3 (借)貸付金  50万円
/ (借)現 金 -50万円
4 (借)備 品  50万円
/ (借)現 金 -50万円
5 (借)商 品 200万円
/ (借)現 金-200万円

のように、資産を借方でマイナスとするのではなく、

資産の減少は貸方

に書くことが、仕訳や勘定記入のルールです。

さて、前回「単式簿記と複式簿記」では、この1~4について、貸借対照表に直接書き込んでますが、その前に実際は、仕訳した結果を「総勘定元帳」という帳簿に記入します。

言い換えれば、仕訳は、総勘定元帳のどの勘定にいくら記入するかのメモです。

この、帳「簿」に「記」録することを簿記と呼びますので、ここの作業が簿記のもっとも簿記たるところです。
各科目(現金や備品、商品、借入金、資本金など)ごとに、「勘定」という口座をつくって、各科目の繰越、受入、払出、残高を記録します。

その「勘定」への記入については、次回をお楽しみに。

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■無料動画「そうだったのか!複式簿記」仕訳とは

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