勘定記入は簿記そのもの(2)
・・・前回(勘定記入1)のおさらい・・・
【例1】
1 7月1日に自己資金である現金200万円を出資して当店を開業した。
2 7月2日に埼玉銀行から100万円をを現金で借り入れ
3 7月8日にすずらん堂商店に現金50万円を貸し付け
4 7月16日に50万円の備品を購入して代金を現金で支払い
5 7月22日に150万円の商品を仕入れ、代金を現金で支払った。
【例1の仕訳】
1 7/1
(借)現 金 200万円
/(貸)資本金 200万円
2 7/2
(借)現 金 100万円
/(貸)借入金 100万円
3 7/8
(借)貸付金 50万円
/(貸)現 金 50万円
4 7/16
(借)備 品 50万円
/(貸) 現金 50万円
5 7/22
(借)商 品 150万円
/(貸)現 金 150万円
【例1の勘定記入・単位:万円】
1 7/1(前講の復習)
2 7/2同様に、「借入金」科目の勘定口座は、
<意味>7月2日に、100万円借入金が増加した
(同時に、借方に現金が100万円増加した)
3 7/8今度は現金を貸し付けました。
4 7/16次に「備品」の場合です。
備品は資産のグループなので、増えると借方に来ます。
<意味>7月16日に、50万円の備品が増加した
(同時に、貸方に現金50万円=減少した)
5 7/22同様に「商品」です。
<意味>7月22日に、200万円の商品が増加した
(同時に、貸方に現金200万円=減少した)
すべての勘定口座を合体すると・・・
ところで、以上のすべての科目の勘定口座の残高を合わせると・・・
■借方(単位:万円)
現 金 50
貸付金 50
備 品 50
商 品 150
■貸方(単位:万円)
借入金 100
資本金 200
というわけで、すべての勘定の残高を合計したものが貸借対照表になります。
では、仕訳で借方/貸方にそれぞれ何の科目を金額いくら、というのが明らかになっているのに、なぜそれをそのまま貸借対照表に記入する作業ではなく、間に各科目の勘定口座に記入するという手間をかけるのでしょう?
貸借対照表には、各科目の期末残高が書かれるものだからです。
(例1)の現金の例でいえば、貸借対照表に現金として記載されるのは、
(資本金)200万円 +(借入金)100万円 -(備品購入)50万円 -(商品購入)200万円 = 50万円
と最終的な残高である50万円が書かれますが、この現金の増減の計算を貸借対照表上でするのではなく、現金の勘定科目の中で「繰越+受入-払出=残高」として計算するのです。
仕訳だけでは、各科目ごとの残高の計算まではしていないのです。
■無料動画「そうだったのか!複式簿記」勘定記入