年間の減価償却費の決算整理

固定資産は毎日、使用しており日々減耗していますが、期中処分(売却や除却)などなければ、期末に決算整理事項として年間の減価償却費計算と仕訳処理を行います。

【問題23-4】決算整理仕訳と精算表記入
・備品について、残存価額ゼロ、耐用年数6年、定額法により減価償却を行う。

まずは、年間の減価償却費を計算します。そして、精算表に「備品減価償却累計額」があるので、間接法で仕訳を行い、精算表に記入します。

年間減価償却費:(取得原価6,000-残存価額0)÷耐用年数6年=1,000

(補足)なぜ備品の取得原価が6,000とわかるのか?精算表の備品勘定の残高試算表欄は、間接法の場合、直接法と違い備品勘定から直接減価償却費を減らさないので、取得原価のままというわけ。

【決算整理仕訳】

(借)減価償却費 1,000 (貸)備品減価償却累計額 1,000

備品減価償却累計額は、資産のマイナスなので、通常は貸方残高になります。

決算整理前残高(貸方)2,000+決算整理仕訳1,000(貸方)=3,000(貸方)

これを、資産のマイナスなので貸借対照表欄の貸方に転記します。

一方、減価償却費は費用なので、損益計算書欄の借方に1,000

【解答】

月次決算を行っている場合の減価償却費の決算整理

冒頭にも申しましたとおり、通常は1年分の減価償却費を、期末決算時に計上しますが、毎月の損益管理(月次決算)を行っている会社では、1年分の減価償却費を月割り(÷12)にして、毎月計上している場合があります。

【問題23-5】決算整理仕訳と精算表記入
・備品について、残存価額ゼロ、耐用年数5年、定額法により減価償却を行う。ただし前月まで11か月、毎月月次決算において月割減価償却費を計上している。

前月まで毎月、月割額で減価償却費と減価償却累計額を計上し、11か月分すでに決算整理前残高試算表に計上されているということなので、今月分(1か月分)を計上すればいいということです。

今月分の月割減価償却費:(取得原価6,000-残存価額0)÷耐用年数5年÷12か月=100

【決算整理仕訳】

(借)減価償却費 100 (貸)備品減価償却累計額 100

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