旅費交通費
【例16-1】 従業員が出張から戻り、概算で前渡ししていた出張旅費¥10,000の精算を行い、残金¥1,500の返金を現金で受け取った。 |
【仕訳】
<概算額前渡し時>(借)仮 払 金 10,000 (貸)現 金 10,000
<精 算 時>(借)現 金 1,500 (貸)仮払金 10,000
旅費交通費 8,500
「従業員の出張(仮払金・仮受金)」の復習です。
出張前に概算払いした出張旅費は「仮払金」という、後で精算を要するという意味の資産で計上してあるはずなので、出張後精算時にその仮払金を貸方で取り消して、借方には確定した費用(旅費交通費)を、確定額で計上。旅費交通費には、交通費だけでなく、宿泊費も含まれます。
【例16-2】 営業担当者の移動経費決済のために、鉄道会社の発行するICカードに現金¥5,000を入金した。なお、入金時に全額費用処理するものとする。 |
【仕訳】
(借)旅費交通費 5,000 (貸)現 金 5,000
ICカードに「入金」とは、チャージのこと。会社の現金は減ります(貸方)。
全額費用処理するとは、交通費、つまり旅費交通費(借方)。
水道光熱費
【例16-3】 水道料金¥3,000、電気料金¥4,000、ガス料金¥5,000がそれぞれ当社の普通預金口座から引き落とされた。 |
【仕訳】
(借)水道光熱費 12,000 (貸)普通預金 12,000
電気代、ガス代を合わせて光熱費、さらに水道代を合わせて水道光熱費といいます。
修繕費
【例16-4】 業務用に使用しているパソコンが故障したので、修理業者に修理を依頼し、修理代金¥10,000は来月末に支払うこととした。 |
【仕訳】
(借)修繕費 10,000 (貸)未払金 10,000
パソコン(備品)のほか、建物や車両といった固定資産を修繕する場合、その費用は「修繕費」という費用を使います。
通信費
【例16-5】 電話料金¥6,000、インターネット利用料¥7,000がそれぞれ当社の普通預金口座から引き落とされた。 |
【仕訳】
(借)通信費 13,000 (貸)普通預金 13,000
【例16-6】 82円切手を100枚購入し、現金で支払った。 |
【仕訳】
(借)通信費 8,200 (貸)現 金 8,200
郵便切手代も、手紙を郵送してもらうという通信手段として消費されるので、電話やネット代と同じ通信費になります。
【例16-7】 期末決算日となり、【例16-6】で購入した82円切手が20枚未使用であった。 |
【仕訳】
(借)貯蔵品 1,640 (貸)通信費 1,640
~資産~ ~費用~
消費しなかった切手は、費用(通信費)から取り消して、貯蔵品という資産に置き換えます。これにより通信費は8,200-1,640で消費分(80枚分)になります。
租税公課
【例16-8】 200円の収入印紙を100枚購入し、代金は現金で支払った。 |
【仕訳】
(借)租税公課 20,000 (貸)現 金 20,000
~費用~
切手と似ている印紙ですが、こちらは印紙税という税金の支払いのために使われるので「租税公課」という、税金の支払いを意味する費用の勘定を使います。
【例16-9】 本日期末決算日につき、【例16-8】で購入した収入印紙を実査したところ、200円の収入印紙が20枚未使用であることが判明した。 |
【仕訳】
(借)貯蔵品 4,000 (貸)租税公課 4,000
未使用の印紙は、切手と同様に貯蔵品に振り替えます。
【例16-10】 今期分の固定資産税¥8,000を全額現金で納付した。 |
【仕訳】
(借)租税公課 8,000 (貸)現 金 8,000
印紙税だけでなく、固定資産税も「租税公課」勘定を使います。
消耗品費
【例16-11】 @¥100のボールペンを50本購入し、代金は翌月末払いとした。 |
【仕訳】
(借)消耗品費 5,000 (貸)未払金 5,000
【例16-12】 文房具店を営んでいる当社は、販売用に@¥100のボールペンを50本、自社の事務用に同じボールペンを10本購入し、代金は翌月末に当社の普通預金口座から振り込むこととした。 |
【仕訳】
(借)仕 入 5,000 (貸)買掛金 5,000
消耗品費 1,000 未払金 1,000
販売用は商品ですから、借方は「仕入」、そして貸方も未払金ではなく買掛金になることを忘れないように。
つまり、同じボールペンでも用途により勘定科目を使い分ける必要があります。
同じものでも用途により勘定科目が異なるものとして、例えば ・パソコン→自社利用で購入なら「備品」、電器店が販売用に購入なら「仕入」 ・クルマ→自社利用で購入なら「車両(運搬具)」、自動車販売店が販売用に購入なら「仕入」 日商簿記3級のヒッカケ問題で好まれる論点です。ご留意あれ。 |