収益にも費用にもなるもの
家賃や地代、利息や手数料などは、自社がもらう立場にも支払う立場にもなりえます。それにより、収益なのか、費用なのかが変わってきます。
ですから、これらはアタマに「支払」か「受取」をつけて、費用なのか収益なのかを区別します。
<例> <費用> <収益> 家 賃 支払家賃 受取家賃 地 代 支払地代 受取地代 利 息 支払利息 受取利息 手数料 支払手数料 受取手数料 |
要するに、「支払○○」であれば費用、「受取○○」であれば収益、となります。がしかし、例外があります。
3級であれば、受取手形(資産)、支払手形(負債)、受取商品券(資産)は収益・費用ではないので、注意ください。
「受取」「支払」がつかないもの
保険料については、「支払保険料」(費用)という場合と、単に「保険料」(費用)とだけいう場合があります。これは、「受取保険料」(収益)は、基本的に保険会社しか発生せず、大抵の会社は保険料といえば支払うものなので、「支払」を省略して単に「保険料」といえば、費用を意味することになります。
また、「給料」勘定は、「支払給料」とは言いません。なぜなら「受取給料」はありえないからです。会社ですから「給料」といえば常に支払うもの。常に費用です。
このほか、これまでに登場した旅費交通費や水道光熱費、修繕費や通信費など、「○○費」となるものは、簿記3級では費用と思ってOKです。
家賃、敷金、礼金、仲介手数料
オフィスなどの物件を賃貸借する際には、家賃だけでなく、契約時に敷金や礼金、不動産業者に対する仲介手数料が発生します。これらは、どういう科目で仕訳すればいいのでしょうか?
まず仲介手数料は「支払手数料」(費用)を使うのが一般的です。
礼金は、いくつか処理方法が考えられ、簿記3級では出題されません。
敷金は、通常、保証金を意味することになるので、「差入保証金」という資産の勘定を使います。これは、簿記3級で出題されると明記されていますので、覚えてください。
【例16-13】 事務所新設のため、ビルのワンフロアを1か月当たり¥150,000で賃借する契約を締結し、今月の家賃1か月分のほかに、敷金(家賃2か月分)及び不動産業者に対する仲介手数料(家賃1か月分)を現金で支払った。 |
【仕訳】
(借)支 払 家 賃 150,000 (貸)現 金 600,000
差入保証金 300,000
支払手数料 150,000