【例15-4】三分法で仕訳
(1)本体価格¥7,000の商品を仕入れ、代金は掛けとした。
(2)本体価格¥10,000で商品を売り上げ、代金は掛けとした。

【仕訳】

(1)(借)仕 入   7,000 (貸)買掛金   7,000

(2)(借)売掛金 10,000 (貸)売 上 10,000

この【例15-4】に、次の一文を加えます。

いずれも消費税率は10%で税抜方式とする。

すると、どうなるでしょう。

消費税を支払った場合~仮払消費税

(1)では、本体代金¥7,000のほかに、消費税(10%)分¥700も合わせて、仕入先に支払わなければなりません。ですから、貸方の買掛金は税込み7,700になります。

一方借方は、3級で出題される「税抜方式」の場合、仕入勘定には「税抜き」つまり本体代金分の¥7,000だけを計上します。では、消費税分の¥700はどうするか?

「仮払消費税」という資産の勘定に計上します。

【消費税を考慮する場合の仕訳】

(1)(借)仕   入 7,000 (貸)買 掛 金 7,700

      仮払消費税  700

「仮払消費税」は、従業員の出張旅費の概算払いの講で学習した仮払金勘定と同じ意味の勘定で、後で精算を要する資産になります。

消費税を受け取った場合~仮受消費税

(2)では、本体代金¥10,000のほかに、消費税(10%)分¥1,000も合わせて、得意先(お客さん)に請求します。ですから、借方の売掛金は税込み11,000になります。

一方貸方は、税抜方式の場合、売上勘定には「税抜き」つまり本体代金分の¥10,000だけを計上します。では、消費税分の¥1,000はどうするか?

もう予想がつきますか?

「仮払消費税」と反対の「仮受消費税」いう負債の勘定に計上します。

【消費税を考慮する場合の仕訳】

(2)(借)売 掛 金 11,000 (貸)売   上 10,000

                    仮受消費税  1,000

「仮受消費税」は、内容が不明の入金の例で学習した仮受金勘定と同じ意味の勘定で、後で精算を要する負債になります。

お客さんから預かっておいて、後で(期末決算時に)精算して、精算の内容によって税務署に納付しなければならない税金となります。

消費税の会計処理】
1.仕入側では、仮払消費税(資産)
2.売上側では、仮受消費税(負債)

【補足】

なお、仮払消費税は、商品の仕入時だけでなく、固定資産や消耗品の購入、経費の支払いの場合に消費税を支払う場合も、この講と同様の会計処理をします。

解ける!本試験レベル問題演習

次の取引について、下記の語群から勘定科目を選んで仕訳してください。
得意先に対し、商品¥550,000(消費税込み価格)を売り上げ、代金のうち¥150,000はすでに受け取っていた手付金を充当し、残額は掛けとした。なお、消費税の処理方法は税抜方式、消費税率は10%とする。
(語群)現金・売掛金・前払金・仮払消費税・買掛金・前受金・未払消費税・仮受消費税・売上・仕入・租税公課

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