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商品売買益と3分法

今回は、会計期間が終わって、いよいよ期末決算。
大事な商品売買益をまとめて求めます。
そして、売上総利益計算のために必要な売上原価の考え方をマスターするとともに、3分法がなぜ3分法といわれるのか(なにをどう3つに分けるのか)を理解するという、ボリュームたっぷりのセクションです。
日商簿記検定3級本試験でも、すべての問題の解答に必須の基本論点であると同時に、特に売上原価の計算については、第5問(決算整理)で毎回出題されるマストな論点です。

その前に、前回のおさらいです。

三分法のおさらい

【例2】
(1)7月22日、商品A(単価 50円)を1,000個、商品B(単価100円)を1,500個を仕入れ、代金を現金で支払った。
(2)7月30日、商品Aを1個 80円で500個、商品Bを1個120円で1,000個
それぞれ売上げ、代金は現金で受け取った。

 

1 商品の仕入れ時は、仕入金額を「商品」という資産の科目ではなく、「仕入」という費用の科目に計上する
2 商品の販売時は、「商品」(資産)と「商品売買益」(収益)に分けることなく、売上代金全額を「売上」という収益の科目に計上する
3 期末(決算時)に、売上総額(インカム)から仕入総額(コスト)を引いて、損益を算出する

【仕訳】
(1)
(借)仕 入 200,000
/(貸)現 金 200,000
(2)
(借)現 金 160,000
/(貸)売 上 160,000

ここまでが、前回のおさらいです。

売上総利益の算出

さて、それではさっそく商品売買益を求めましょう。

インカム(売上総額)からコスト(仕入総額)を引いてみると・・・

(売上総額)160,000 -(仕入総額)200,000=-40,000

・・・って、4万円も赤字になってるやないか?

前回の計算で、取引のつど商品売買益を計算するやり方では、プラスだったはずなのに

・・・なぜでしょう?・・・

実は、「売上総額から仕入総額を引く」という損益の出し方が「間違い」でした。

仕入れたものがその期間中にすべて売れれば正しいのですが、売れ残って「在庫」になっているのであれば、その在庫分を考慮しなければなりません。

つまり、売れた分だけの仕入れ値(コスト・原価。これを「売上原価」といいます。)を計算しなければ、正しい売上利益の計算にはなりません

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上記の例でいえば、商品Aを1,000個、Bを1,500個仕入れたうちの、実際に売れたのはAが500個、Bが1,000個ですから、A・Bとも500個は売れ残り(在庫)があります。

実際には、期末・決算の前に商品の「有物調べ」「棚卸」ともいう)をして、実際の在庫を調べて確定し、仕入コストからこの在庫として売れなかった分を引いて、その残りが売れた分というふうに計算します。
これを「売上原価の計算」といいます。
そして、その在庫として次の期に繰り越された商品が、次の期に売れれば、そのときのコスト・原価として計算します

ですから反対に、前期の在庫が今期に売れた場合も、その前期の在庫分をコスト・原価に含めます。

例題について、この在庫分を考慮した考え方で計算し直すと・・・

売上=160,000
売上原価=仕入総額-在庫原価
=200,000-在庫(A@50×500個+B@100×500個)
=125,000

よって、売上総利益=160,000-125,000=35,000

というわけで、前回商品売買益を計算した時と同じ、35,000円の利益(プラス)となりましたね。

以上をまとめると、

前期から繰り越された在庫
+ 当期の仕入分
- 当期の売れ残り(在庫)
= 当期に売り上げた分

となります。

これは、単式簿記でだれでも知っている預金通帳の
「繰越+預入-払出=残高」
の式と同じなのです。

この通帳の式でいう「払出」の部分が、当期の売上分です。

この式を商品の仕入、売上、在庫にあてはまめると・・・

(前期からの) 繰越商品
+(当期の) 仕入
-(当期の) 売上
=(次期への)繰越商品

このように、「商品」科目を、「仕入」「売上」「繰越商品」の3つの勘定科目で表すやり方を「三分法」(または「三分割法」)といいます。

ちなみに、「仕入」や「売上」勘定を用いず、「商品」と「商品売買益」と分けて記帳する方法を、「分記法」といいます。

今後、当サイトで商品売買に関して取り扱う場合、特にことわりがなければ、三分法によるものとします。

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