この講で学習する内容 ・未収入金・未払金の、売掛金・買掛金との違いとは ・同じパソコンや自動車を購入するのでも、購入目的によって未払金か買掛金か異なる |
前講までで学習した売掛金・買掛金は、商品(=売りもの)の売上げや仕入れに関する代金の後もらい・後払いのことでした。
ところで、自分の店が商売として扱う商材以外の売り買いの場合の後もらい・後払いは、売掛金・買掛金ではなく、「未収入金」「未払金」といって別の勘定科目を使います。
「同じ後もらい・後払いでも、商品か商品以外で勘定科目を使い分けられるか?」という論点(=試験の狙い目)で、日商簿記3級本試験に出題されます。ていうか頻出です。
代金の後払い・後日回収 |
▶商品の売り上げ・仕入れに関するもの → 売掛金・買掛金 ▶商品以外の代金の後日回収・後払い → 未収入金・未払金 (消耗品・固定資産など) |
ところでこの未収入金と未払金。借方・貸方どちらがどちらに来るかわかりますか?
言い方を変えれば、どちらが資産でどちらが負債か?
ということになります。
むやみに暗記しようとせず、言葉の意味から考えてみましょう。
「未収入金」=未だ収入していないお金=今後収入できる権利=債権(資産)
「未払金」 =未だ支払っていないお金=今後支払うべき義務=債務(負債)
【例3-2】 (1)備品を¥10,000で買い入れ、代金は月末払いとした。 (2)営業用車両(帳簿価額¥30,000)を¥30,000で売却し、代金は翌月末に受け取ることとした。 |
【仕訳】
(1)(借)備 品 10,000 (貸)未払金 10,000
(2)(借)未収入金 30,000 (貸)車 両 30,000
(または車両運搬具)
(2)の「帳簿価額」というのは、購入したときの金額をベースに記帳されている帳簿上の車両勘定(資産)の金額という意味です。
この辺の話は固定資産・減価償却の講で説明します。
解ける!日商簿記3級本試験レベル問題演習
【仕訳問題1】 家電販売業を営んでいる当社は、販売用にパソコン(@¥200,000)を10台、社内の事務用に同じパソコンを2台購入し、代金は来月末払いとした。 |
【仕訳問題2】 備品¥100,000を大裕商事より購入し、代金のうち50,000は小切手を振り出して支払い、残額については毎月末の5回分割払いとした。 |
未収入金・未払金のまとめ ・商品の仕入・売上以外の代金の後日回収・後払いは、未収入金・未払金を使う ・同じパソコンや自動車でも、商品として仕入するのであれば「仕入/買掛金」、会社の事業用に使用するのであれば「備品(車両)/未払金」 |