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減価償却累計額にストック!減価償却(間接法)・付随費用

間接法による減価償却


前回は、固定資産の減価償却とは何か?その基本の考え方をマスターしました。

■ 減価償却費計算のまとめ ■
\500,000の備品(残存価額は取得原価の10%、耐用年数10年)の減価償却

{ 取得原価500,000 − 残存価額(500,000×10%)}÷ 耐用年数10年
= \45,000ずつ毎年減価備品の原価から減らす

<仕訳>
(借)減価償却費 45,000 (貸)備   品 45,000

ところで、この減価償却の会計処理について、このように備品(などの固定資産科目)勘定を直接減らす(「直接法」といいます。)のではなく、固定資産科目はそのままで、代わりに「○○減価償却累計額」という勘定を設けて、それまでの減価償却によって価値が減少した分(毎年の減価償却費の合計)を累計でストックしておく方法(「間接法」といいます。)があります。
そして、この間接法の方が一般的です。

<間接法の仕訳>
(備品購入時)
(借)備 品 500,000 (貸)現 金 500,000
(1年後)
(借)減価償却費 45,000 (貸)備品減価償却累計額 45,000
(2年後)
(借)減価償却費 45,000 (貸)備品減価償却累計額 45,000
・・・

見た目は、貸方の「備品」が「備品減価償却累計額」に置き換わっただけですが、
資産として借方に残高のある「備品」勘定を、毎年貸方で直接減らしていくのが直接法
「減価償却累計額」という貸方の科目に毎年貯めていくのが間接法

ではなぜ、毎年「備品」勘定を直接減らしていく「直接法」ではなく、「備品減価償却累計額」なんていう長ったらしい名前の余計な勘定を使う「間接法」を用いるのでしょうか?

上記の例の、備品購入後2年が経過した時で考えてみましょう。

直接法の場合、B/Sを見ると、

(借方)     貸借対照表     (貸方)
(資産)
  ・
  ・
備 品 410,000
  ・
  ・

  
(負債)
・・・
(純資産)
・・・

と、備品勘定の、償却後の現在簿価だけが、情報としてわかります。
備品の取得原価やこれまでの償却額はわかりません

一方、間接法の場合は、

(借方)     貸借対照表     (貸方)
(資産)
  ・
  ・
備 品 500,000
  ・
  ・
(負債)
・・・
備品減価償却累計額
    90,000
(純資産)
・・・


と、備品の取得原価(借方)と、これまでの減価償却の累計額(貸方)を両方表示し、その差をとれば、備品の償却後の現在価値がわかるようになっているのです。
(備品\500,000−備品減価償却累計額\90,000=\410,000=現在価値

このように、減価償却累計額は、固定資産の取得原価から引くことでその固定資産の現在価値を評価することができるので「評価勘定」と呼ばれます。

ちなみに、「減価償却費」は、費用ですから、P/Lの方に表示されます。

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固定資産の売却

さて、この購入後ちょうど2年経過したところで、この備品を\450,000で買い取ってくれるという話が入ってきました。どうする?

ここでは一旦頭を直接法に切り替えて、「\410,000の価値のものが\450,000で売れる」と考えると、売却した方がお得ですね。

それでは、再び間接法に戻して、現金で売却の場合の仕訳をしてみます。

<仕訳>
(借)現       金 450,000 (貸)備     品 500,000
   備品減価償却累計額   90,000    固定資産売却益   40,000

この取引の基本は、
<現金が入って(借方)、代わりに備品が出て行った(貸方)>
です
oyb

備品がなくなったことに伴って、備品に付随して設けてあった「減価償却累計額」勘定の残高もなくなるので、精算のため反対仕訳(借方)で残高をゼロにします。
その借方・貸方の差額が、固定資産売却損益になります(今回の例では、売却益でした)。

これは、直接法であれば
(借)現 金 450,000 (貸) 備     品 410,000
                固定資産売却益   40,000
とシンプルでわかりやすいですね。

でも、簿記3級の検定試験問題は間接法での仕訳です。

しかし、直接法の考え方もきちんと理解していれば、こんな問題でもシンプルに考えられます。



解ける!簿記 3級 本試験レベル問題(1)
期首に備品(取得原価\500,000、減価償却累計額\90,000、間接法で記載)を\400,000で売却し、代金は後日受け取ることとした。

<THINKING SPACE>










<解答>
(借)未   収   金 400,000 (貸)備 品 500,000
   備品減価償却累計額   90,000
   固定資産売却損     10,000

売却金額の方が、(備品残高−減価償却累計額)より安い場合は、売却損になります。(簿価\410,000の備品を\400,000で売れば\10,000のソンですね。)
ちなみに「代金は後日」回収で、売上代金であれば「売掛金」ですが、そうでなければ「未収金」です。
未収金と未払金について


実戦力アップ演習問題「固定資産の期首売却」へ

固定資産と付随費用

最後に、付随費用です。

購入に伴う手数料などの付随費用は、商品仕入れや有価証券のときと同じで、費用に計上するのではなく、購入原価に含めます
oybそれだけです。
それだけのことですが、簿記検定試験ではよく出題されます。

解ける!簿記 3級 本試験レベル問題(2)
店舗用の建物\1,000,000を購入し、不動産業者への仲介手数料\50,000とともに小切手を振り出して支払った。

<THINKING SPACE>










<解答>
(借)建 物 1,050,000 (貸)当座預金 1,050,000

ボリュームが多かったですか?
でも、3級で問われる固定資産・減価償却の論点はこれで全てです。
これであなたも、あの「減価償却」と呼ばれるものを、マスターしました。
大事なテーマですので、丁寧に復習して得意分野にしてしまいましょう。

実戦力アップ演習問題「固定資産の付随費用」へ
実戦力アップ演習問題「固定資産の付随費用と売却損益」へ

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