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貸倒引当金万が一の代金「とりっぱぐれ」に備える"保険"

貸倒引当金を含む貸倒処理については、第1問の仕訳問題では出題が少ないですが、第5問などの決算に関する問題では必ず出題されます。

貸倒処理と貸倒引当金


■例1■
平成25年3月15日、当店は玉喜商店に商品\100,000を販売し、代金は掛とした。

<仕訳>
(借)売掛金 100,000 (貸)売 上 100,000

これはおさらい。

商品を売り上げたとき、後払いにする「掛け売り」として、実際にお金を受け取っていないのに、その時点で「売上」という収益を計上することは、すでに学びました。
「売掛金・買掛金」参照)

ところで、万が一、この後払いの約束をした代金が支払われなかったら?

■例2■
平成25年3月31日、玉喜商店が倒産し、3月15日に販売した商品\100,000の売掛金が回収できなくなった。

後から支払われるはずだったので債権として借方(資産)に計上していた売掛金\100,000は、もう受け取れなくなったので、債権から消滅させなければなりません。反対仕訳で貸方です。

<仕訳>
(借)???? 100,000 (貸)売 掛 金 100,000

貸方計上で、売掛金という資産が失われましたが、代わりに何も得られません。費用・損失です。

売掛金という「貸し」が、玉喜商店の「倒産」によって回収できなくなったという「損失」なので、「貸倒損失」といいます。

<仕訳>
(借)貸倒損失 100,000 (貸)売 掛 金 100,000

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ところで、当社が3月末決算だという前提で、仮に(例2)の倒産が、4月15日に起こったとします。

この場合、平成25年3月期決算では、「売上」として損益計算書で収益(プラス)として計上されています。
一方で、4/15の貸倒損失は、次の期の決算の損益計算書に、損失(マイナス)として計上されます。

本来なら、3/15に売上げとして計上した収益を取り消す性質のものであり、(例2)のように同じ会計期間で貸倒が起これば、同じ期で相殺できるものを、期をまたいでしまう場合は、一方はプラスだけ、もう一方はマイナスだけ損益計算書に影響し、正しい営業努力の成果がゆがんでしまいます。

というわけで、こうした期をまたいだ損失計上に備えて”保険”をかけます。
「貸倒」が発生したときに「引き当てるお金」ということで、「貸倒引当金」というものを用意しておきます。

具体的には、決算時に売掛金などの債権の残高に対し、回収できなくなりそう(貸倒れになりそう)な金額を見積もり、貸倒引当金として貸方に計上しておきます。

なぜ貸方かって?

売掛金などの債権(資産=借方)額から、貸倒れ見積もり分の貸倒引当金を減らしておく意味だからです。実際に決算時の貸借対照表には、債権から貸倒引当金相当額を控除して表示します。

[このように、売掛金や受取手形といった債権(資産)の残高から、貸倒引当金を控除することで、貸倒のリスクを考慮した債権の価値を評価する役割があるため、貸倒引当金勘定は「評価勘定」と呼ばれます。]

借方は、「貸倒引当金繰入」という名で、”保険料”のように費用の勘定になります。

解ける!日商簿記3級 本試験レベル問題
決算につき、受取手形及び売掛金の期末残高(下記残高試算表のとおり)に対して3%の貸倒引当金を設定する。

(借方)  残高試算表  (貸方)
受取手形 200,000
売 掛 金  100,000
               


<THINKING SPACE>










<解答>
(借)貸倒引当金繰入 9,000 (貸)貸倒引当金 9,000

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■ビジュアル動画「貸倒れ」


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